導管工事・設備管理における地図情報の活用
東邦ガス 大崎賢治氏


 行政の情報化とAM/FM/GIS、国土空間データ基盤について
東邦ガスでは89年に、地図情報処理技術を用いたガス導管設備管理システムを開発。データーベースを構築してきた。
関係工事会社で作成した施工報告結果に基づき、データベースを、ほぼ自動的に更新する。このシステムは92年から始めた、ガス導管工事の計画立案、設計・施工図面の作成から、施工管理、施工結果報告まで、図面情報だけでなく、そこから導入される業務情報の活用まで含めた一連のシステム開発である。
ガス導管工事な関する図面情報のライフサイクルを実現し、当社だけでなく、関係設計会社、工事会社を広域ネットワークで結ぶことで、図面情報を交換することに成功している。
その結果、ガス導管工事に関する業務の効率化・高度化、設備管理情報の鮮度・信頼性の向上を達成した。
当社システム全体概要と効果、地図情報データベースを構築・活用する上の考慮点について発表する。
ガス導管工事は工事計画、設計、施工の各プロセスから成り立っており、最終的には設備管理までを行う。当社は工事のすべてを施工しているわけでなく、関係設計会社や工事会社の協力を得て行っている。
このため安全かつ安定してガスを供給する設備を造るためには、工事の発注から検収時まで多くの要員と膨大な図面、それに関連する文字・数値情報を扱う作業が発生する。
GISは地図情報をベースにした強力な情報付加をはじめ情報整理能力、点、線、面、空間という位置情報を用いた各種の統計分析などを可能にした。今までの文字、数値情報を中心にする情報活用手段から考えると、たいへん大きな利用価値が期待でき、業務改革を行っていく際の大きな支援になる。
しかしGISは業務改革を行う一つの手段であるという認識を持ち、明確な導入目的と適用業務システムの開発計画をもとに実現していく必要がある。
当社においても、設備管理を目的としたGIS導入から始まり、ガス導管工事における業務改革を目的として構築してきた。
GISはデータモデルの構築とデータベースの整備を中心にすべきである。当社の場合、背景となる地形図は名古屋市内については道路管理センターのデータを使用。市外については他社と共同で作成している。ガス導管データの整備には、システム開発費用に比べ、十倍以上の費用がかかり、入力期間もかかる。
主要なデータベースとして位置付けされるため、その鮮度・信頼性を維持するためには、多くの保守費用がかかる。
当社ではガス導管データ整備に自動認識技術を用いて効率的にデータベースを構築し、さらには図面情報のライフサイクルにより、データの鮮度・信頼性を確保している。
背景図などの社会的インフラともいうべきデータについては、他の基盤データの利用や他企業などとの共有化を図っている。
各システムはEWS特有の優れたユーザーインターフェース(マウスのみの操作、GUIによる実世界に近い操作性など)を提供している。その結果、操作性に関する利用部門のニーズを的確に組み入れたシステムを構築することができ、現場サイドの高い評価を得ている。
システム全体として拡張性に優れ、今後も順調な発展が予想される。