[11月5日(水)10:30〜11:20]

講演
GISとLBS
柴崎 亮介氏
東京大学生産技術研究所教授
概要

 GISが測量データや地物データに代表されるように、いわゆる地理情報、すなわちあまり変化しないもの、移動しないデータを対象とした比較的静的なしかしきちんと構造化された情報を対象に発達してきたのに対し、ウェブに代表されるいわゆるインターネット情報は、構造はほとんど持たないものの、多数の利用者により簡単に、そしてダイナミックに更新されるデータを対象としてきた。モバイル環境の整備に伴い、よりダイナミックな変化に富む情報を互いに関連づけるなど、ある程度きちんと構造化された形で利用したいというニーズが次第に膨らんできた。

 LBS(位置情報サービス)とはこうしたGISとインターネットがモバイル環境で融合したものと捉えることができる。LBSは、GISにとってはよりコンシューマ向けであるという点、多様な情報が含まれるという点で、従来型GISや測量とは異なり、ウェブなどのインターネット情報から見れば、「地に足のついた」より構造化された実世界に関する情報を扱うという点で異なる。そのため、LBSの発展は、GIS、インターネットの双方に新しい技術的な課題、あるいは展望を提供しようとしている。本講演ではそうした両サイドにおけるさまざまなチャレンジ、可能性について紹介する。

プロファイル

1958年3月16日生まれ。
東京大学・空間情報科学研究センター教授、生産技術研究所教授(兼担) 工学博士。

1980年東京大学工学部卒、同大学院修了(1982年)。
 建設省土木研究所(1982-1988)、東京大学工学部助教授(1988-1991)、同大学生産技術研究所助教授(1991-1998)を経て、1998年より現職。

都市・地域から地球までの広い領域を対象に、実空間世界のモデリングやデータ収集の自動化、特に3次元空間オブジェクトや移動体のモニタリング、ダイナミックな観測情報とモデルとの統合化、それらを利用した情報サービスの提供方法などを研究・開発。

国際的には、ISO(国際標準化機関)のTC211(地理情報専門委員会)において、空間データの品質評価手法プロジェクトチームリーダを1996年から勤めている。また2003年度よりデータベース振興センターのLBS技術委員会(委員長)、土木学会情報利用技術委員会(委員長)にも参加。