[11月10日(水)13:45〜14:25]

講演
ブロードバンドネットワークを活用した
デジタル地図バーチャルファクトリの仕組みと
新たなコンテンツビジネスの展開について
大薗 幸弘氏

株式会社NTTネオメイト ナレッジビジネス本部 
デジタル地図バーチャルファクトリ所長

概要
NTTグループでは屋外設備の管理や運営等様々な業務の効率化のために必須なデジタル地図の全国整備を平成12年に完了し、現在は多くの業務支援系統合型GISを社内で活用するとともに、その開発や運用実績をベースとしてGISソリューションを展開している。
デジタル地図バーチャルファクトリでは、「より低価格で高品質なデジタル地図のメンテナンス」を目指すとともに「ブロードバンドネットワークを活用したテレワークスタイルでの就労機会の創出」を実践している。
この意義は、ブロードバンドを使った新しいサービス、ビジネスモデルの先例を作り、GISやブロードバンドをまだ十分に活用されてない自治体・企業への普及を促しGISビジネスの領域を拡大するとともに、地元での新たな就労機会を創出することにある。
本講演では、デジタル地図製造の仕組みやそこでメンテナンスする地図情報をNTTグループの業務GISへオンラインで日々更新する仕組み等実践事例を基に「膨大で情報量が重たい空間情報の柔軟なネットワーク利用と将来のGISコンテンツサービスのあり方」を提案する。

● 空間情報の柔軟なネットワーク利用
空間情報(デジタル地図、航空写真や各種図面等)はこれまでコンテンツ容量が大きいことから、WANやインターネットでの利用形態が制限されていた。また、このコンテンツのメンテナンスも各種専門業者が閉じられたオフィスで実施しこれを媒体で納品することが主流であった。
バーチャルファクトリではブロードバンド環境でこれを複合的に組み合わせて遠隔地でメンテナンスする仕組みを実践しており、この仕組みは自治体や企業におけるコンテンツ参照や更新業務にも応用可能なものと考える。これを従来ソフトウェアやシステムのWeb化を低価格かつ簡易に実現した要素的な技術的はSBC(Server Based Computing)技術であるがこれはTry and errorの繰り返しで補完することでより実用的な仕組みとすることができる。この実証経験を紹介する。
● GISコンテンツサービスのあり方
  G−XMLはGIS間の空間データ流通を支えるプロトコルとして普及してきた。例えばコンテンツ事業者が日々更新するデジタル地図情報や位置情報を標準形式で差分配信したり、世の中の変化情報をリアルタイムに取得し地図等と重ねて配信するようなビジネスがブロードバンドネットワークの普及とともに到来する。このようなサービスが普及した段階ではGISやカーナビゲーション等コンテンツビジネスの世界でも劇的な変化が予見される。
● デジタル地図バーチャルファクトリ
株式会社エヌ・ティ・ティ ネオメイトでは、NTT西日本グループが進めるブロードバンドを使った新しいサービス、ビジネスモデルを創出する取組みの一環として、NTTネオメイトグループが提供するデジタル地図「GEOSPACE(ジオスペース)」の制作、メンテナンス業務を行う「デジタル地図バーチャルファクトリ」を平成15年7月に開設し、国内初のチャレンジドや1人親家庭によるテレワーク(ブロードバンドを活用した在宅就労)形態での運営を行ってきました。
デジタル地図バーチャルファクトリはデジタル地図「GEOSPACE」を制作・メンテナンスする仮想工場であり、熊本市に開設した「デジタル地図センタ(以下、センタ)」と、熊本市、神戸市、松山市、広島市、福井市、四日市市の合計6都市でテレワーク就労を行うデジタル地図工房とで構成されており、テレワークスタッフは108名に拡大しています。
センタと工房は、NTT西日本のブロードバンドネットワークによりオンラインで結ばれ、地図データの入力・編集を行うクリエータが自宅で一連の業務を実施することが可能になっています。また、工房のクリエータは、テレビ会議システムや画面共有機能によりセンタのスーパーバイザ(指導者)とお互いの顔を見ながら、いつでも指導を受けることができます。

プロフィール
1956年福岡市出身
NTTネオメイト デジタル地図バーチャルファクトリ所長、

専門分野:デジタル地図製造メンテナンス、GIS開発、屋外構造物等設備のオブジェクトDB管理

NTTネットワークシステム開発センタ(1987−1990)、NTTアクセス網研究所研究主任(1993-1997)、NTT九州支社ハイパーテクノセンタ課長(1997−1998)、NTT西日本研究開発センタ課長(1998−2002)、を経て、2003年より、NTTネオメイトデジタル地図バーチャルファクトリ所長。