希望物件が決定! 中古マンションの住宅ローン事前審査、本審査の流れについて解説します。

念願のマイホームにリフォーム済中古マンションを選ぶことに決めたAさん家族は、購入に向けて不動産会社や物件種別といった基本的な情報を学び、物件探しを着々と進めてきました。そしてとうとう、家族全員が気に入る物件を見つけることができたのです。

物件が見つかったら購入のための具体的な手続きに入っていきますが、その筆頭が住宅ローンの借り入れです。さっそく住宅ローンを申し込もうと考えたAさんは、「最初に住宅ローンの事前審査を受けていただきます」と言われました。住宅ローンの事前審査とは、どのようなものなのでしょうか。

住宅ローンの事前審査とは何か?

高額な買い物である住宅の購入には、住宅ローンを利用するケースが大半です。住宅ローンを使うということは、金融機関から大金の借金をして長期間かけて返済していくことを意味しますから、金融機関から見て「この人ならきちんと返済してもらえる」と思える方でないと、融資を受けられません。

そこで、借り入れ希望者に住宅ローンを貸し出すことが可能かどうかを判断するのが「審査」です。この住宅ローンの審査には、「事前審査」と「本審査」があります。

事前審査とは、住宅ローンを借りることができるかどうかを、住宅の売買契約を結ぶ前に確認するための最初の審査を指します。契約前に事前審査を行うのは、住宅ローンを借りられなければ購入できなくなることが多いからで、物件の購入を申し込むのと同時に住宅ローンの事前審査を申し込むのが一般的な流れです。

住宅ローンの事前審査に必要なものとは?

住宅ローンの審査では、数十年にわたって返済を続けるだけの収入があるかどうか、そして借金を完済できるかどうかという返済能力が審査されます。万一返済が滞るようなことがあった場合には、物件を売却して返済に充てることになりますが、その物件に担保としての価値が十分にあるかどうかという点もチェックされます。

そのため、住宅ローンの審査にはいくつかの書類を提出する必要があります。事前審査で提出することが多い書類は、収入を証明するための書類(会社員は源泉徴収票、自営業の方は確定申告書の控えなど)、購入を申し込む物件の売買契約書、本人確認書類(運転免許証など)です。

提出する書類は、審査する機関や申し込むローンによって異なりますので、詳しくは申し込みの際に確認しましょう。申込書類と必要書類を提出すると審査を受けることができ、基本的には一週間ほどで審査結果が通知されることが多いです。

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中古マンションで多い買付優先と契約優先について

いい中古物件には多くの買い手が集まります。ある中古物件の購入希望者が複数人存在した場合には、より早いタイミングで購入の申し込みを行った方が優先される「買付優先(申込優先)」で購入者が決まるのが多い考え方です。この「申し込み」は、売り主・仲介する不動産会社へ提出する買付証明書の到着タイミングで判断されることが多いようです。

とはいえ、このルールは法律で明確に定められたものではありません。実際の購入の場面では、買付証明書を提出する以外にも手付金を支払うなどの対応も必要で、買付証明書の提出だけが早い希望者よりも、買付証明書も手付金もすぐに用意できる希望者のほうが重宝されることも少なくありません。

そこで、購入申し込みのタイミングにかかわらず、契約手続きや手付金の支払いなどを早く進められる方を優先して購入者を決定するという考え方が「契約優先」「手付優先」と呼ばれるものです。

おわりに

物件探しは時間も労力もかかるものですから、気に入った物件が見つかるとほっとすることも多いでしょう。とはいえ、見つけただけではその物件は手に入ったわけではなく、購入の申し込みの意思を表明して手続きを進めることで、初めてマンション物件を入手できるのです。

住宅ローンの事前審査は、その第一歩といえます。マイホームの購入と住宅ローンを含めた資金計画は、切っても切り離せない関係にあります。せっかく見つけた物件が購入できないということにならないよう、住宅ローンの仕組みについても理解しておきましょう。

また、中古マンションの場合は、購入希望者が複数現れることもよくあること。せっかくの物件が、ほかの希望者に先に購入されてしまっては残念です。そうした事態に備え、購入希望者が複数人いる場合の優先順位については確認しておいたほうが安心でしょう。