中古一戸建ての住宅ローンの事前審査で気をつけたい事と注意点

マイホームの購入に向けて、中古一戸建ての物件を探してきたAさん家族は、中古一戸建ての購入に関する知識を学びながら、不動産会社や不動産情報サイトでの検索をうまく活用して物件探しを進めています。

そうしてさまざまな物件情報を閲覧し、いくつかの物件では実際に見学してすみずみまで済ませたAさん家族も、とうとう「これだ!」と思う物件と出合うことができました。

そうなれば、今度は購入の手続きを進めていくことになります。購入の手続きについては多くのプロセスがありますが、筆頭に挙げられるのが住宅ローンの借り入れで、まずは事前審査を受けることになります。

中古住宅にある「価格」と「価値」の違い

住宅ローンの事前審査について話を進める前に、ここでちょっと、中古一戸建ての物件における「価格」と「価値」の違いについて考えてみましょう。

中古一戸建ての物件には「購入価格」があります。この価格は、一見「その物件の価値」を示すもののように思われるかもしれませんが、購入価格はあくまで「今回の売買において設定された、現在の対価」である点に注意が必要です。

同じ物件でも、景気がよければ価格が上振れすることもありますし、契約条件次第では値引きされることもあります。つまり「価格」は、物件自体の「価値」とは違う要素に左右されるところも大きい、現在の対価なのです。

対して、「価値」というのはその物件がもつ絶対的なものを意味しますが、不動産における「価値」は「潜在的な価値」、すなわち将来的に売却するときの「資産価値」で示されることが多いです。不動産を購入する際には、この「資産価値」にも着目する必要があります。

住宅ローンの事前審査における中古住宅ならではの注意点について

住宅ローンは、新築物件だけでなく中古一戸建ての物件を購入する際にも利用することがほとんどですが、中古住宅の購入ならではの注意点があります。それは、「購入する中古一戸建ての物件の『資産価値』が借入額に影響すること」です。

一戸建て住宅の資産価値には、「土地の分」と「建物の分」があります。土地の資産価値は経年での下がり幅はそれほどありませんが、建物の資産価値は時が経てば経つほど下がっていきます。

中古住宅の購入で住宅ローンを借り入れるには、購入する物件を「万一返済が滞った場合の担保」にします。ということは、物件の資産価値が高ければ高いほど担保としての価値も高くなり、住宅ローンの借り入れが有利になります。

反対に、築年数がかなり経過した物件やリフォーム履歴・メンテナンス記録などの書類がない物件などでは、資産価値が低く見積もられてしまうために、希望額の借り入れができなくなる可能性もあるのです。

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審査の流れと融資特約について

住宅ローンに審査があるのはよく知られていますが、審査に「事前審査」と「本審査」の2段階があるというのは意外と知られていません。

住宅ローンの申し込みは不動産の売買契約を締結したあとに行いますが、そこで「本審査」を受け、住宅ローンを借りられるかどうか、いくら借りられるのかということの正式な決定がなされます。

しかし実際には、契約締結前に「事前審査」を受けて、住宅ローンの借り入れが可能かどうかある程度の見込みをつけたうえで売買契約へと進みます。事前審査は最短で1日、平均して1週間程度で結果が通知されます。

ただし、事前審査で借り入れOKとなっても、本審査が必ず通過するとは限りません。もし仮に本審査で借り入れNGとなってしまうと、購入費用を支払うことができなくなりますから、住宅を購入することができなくなります。

こうした事態に備えて、不動産の売買契約には「住宅ローンの融資を受けられない場合には、締結した売買契約を解除することができる」という「融資利用の特約(融資特約)」をつけておくのが一般的です。

おわりに

中古一戸建ての物件は、新築住宅に比べて安価で購入できるとはいえ、現金の一括払いで支払えるような金額ではないことがほとんどです。Aさん家族も、住宅ローンを利用して購入するつもりです。そのためには、まずは事前審査を受けることになります。

住宅ローンというと、勤務先や年収といった要素が重視されるのはもちろんですが、中古一戸建ての物件の場合は「将来の資産価値(担保価値)」も考慮されます。物件の購入をスムーズに進めるためには、こうしたことも知っておくと安心です。