賃貸から早く引っ越したいAさん家族の物件探し! リフォーム済物件を探すコツとは?

ご夫婦とお子さん2人の4人で暮らすAさん家族は、いよいよ念願のマイホーム購入に向けて動きはじめました。予算や立地、子育て環境などの点を考えてAさん家族が探すことにしたのは、リフォーム済の中古マンションです。

「同じ中古マンションでも、リフォーム済の物件なら、内装もきれいで設備も使いやすくなっているところが多いだろう」「何より、購入してすぐに住みはじめることができるのは魅力的」——Aさん家族は、このように考えたわけです。

Aさん家族に最適な「リフォーム済の中古マンション」を探すには、どのようなポイントをおさえておけばいいのでしょうか。

リフォームとリノベーションの違いとは?

リフォーム済の物件を探そうとすると、「リフォーム」だけではなく「リノベーション」という言葉もよく目にすることに気づくでしょう。一見、同じような意味で使われているように思える2つの言葉には、実は大きな違いがあります。

家に住んで生活を続けていくと、内装が汚れ、設備が壊れるといったことは多少なりともあるものです。年月が経って老朽化が進んでいけば、建物の機能や美観はますます損なわれていきます。建物のそうした状態を修繕して新築の状態に戻すのが「リフォーム」です。

対して、「リノベーション」というのは、既存の建物に規模の大きい工事を施してその性能を高め、新築の状態よりも使い勝手のいい建物、価値の高い建物にすることを指します。

これらの言葉は混同して使われていることも少なくありませんが、住宅のマイナスの部分を修繕してゼロの状態に近づけるのがリフォーム、ゼロからさらにプラスアルファの価値や機能を生み出すのがリノベーションなのです。

物件探しで重要なのは情報収集!

こうした違いを理解せず漠然と「リフォーム済物件」を探してしまうと、自分や家族が必要としている物件にたどり着きづらくなります。さらにいえば、いざ住みはじめてから「求めていたのはこういうリフォームではなかった」とミスマッチに気づいてしまうことも。

そうならないよう、物件探しの際には、その物件で行われているリフォーム・リノベーションが、具体的にどのような内容なのかということをきちんと確認しましょう。その際、「スケルトン」「スケルトンリフォーム」という言葉を見聞きすることがあるかもしれません。

この「スケルトン」とは、建物の天井や壁などをすべて取り払い、骨組みだけになった状態を指します。スケルトンリフォーム(リノベーション)というのは、物件を一旦スケルトンの状態にしたうえで、間取りから設備まで新しく作っていくフルリノベーションを意味します。

shutterstock_1024638538

物件の良し悪しの判断ポイントとは?

リフォーム済(リノベーション済)中古マンションには、新築同様の物件、あるいはそれ以上の価値が付加された物件を比較的リーズナブルな価格で購入できること、購入してすぐに入居できることというメリットがあります。とはいえ、デメリットも存在します。

築年数が経過したマンション場合、マンションの構造体自体は傷みが進んでおり、個々の物件のリフォーム(リノベーション)で補強・修繕できないようなケースもあります。そうなると物件全体としての寿命はそれほど長くない可能性もあるのです。

そうしたメリット・デメリットを考慮したうえで、それでもリフォーム済(リノベーション済)の中古マンションを購入しようと考えるならば、「瑕疵担保免責」と「アフター保証」については、売買契約を結ぶ前に忘れずに確認しておきましょう。

不動産物件の売買契約を結ぶ段階では見つかっていなかった欠陥が、契約成立後の一定期間内に発見された場合、売り主は責任をもって修繕・改善する義務があります。これは「瑕疵担保責任」といわれ、新築住宅の場合は引き渡しから10年間はその責任を負います。

しかし、中古物件の場合はそうした売り主の義務が免責される(義務ではなくなる)か、責任を負うとしてもその期間が短くなることが大半です。住宅の売り主が買い主に対して一定期間内の点検や修繕などを保証するアフターサービスも、新築物件には手厚いですが、中古物件ではそうはいきません。

おわりに

Aさん家族のように、「きれいで安価、すぐに住めるマンション」をイメージして「リフォーム済の中古物件がいい」と考える方は多いでしょう。しかし、自分や家族が物件に求める条件をより詳しく考えていくと、実際に欲しいのはリフォーム済物件ではなく、リノベーション済物件であることもよくあるのです。

そして、リフォーム済(リノベーション済)の中古マンションの場合、購入後の保証もほとんど期待できないのが実状です。リフォーム済(リノベーション済)の中古マンションを探す前に、そうしたメリット・デメリットをよく吟味する必要があるといえます。