地主さんがいっぱい? 内装リフォーム済・リフォーム済戸建てで知っておくべき周辺環境とは

Aさん家族は、夫・妻・2人の子どもの4人で賃貸マンションに住んでいます。長年住み慣れた賃貸マンションは仕事や買い物などにも便利ですが、お子さんの成長に伴い手狭な思いをすることが増えてきました。そこで今後の子育ても考え、いよいよマイホームの購入に乗り出すことに決めました。

子育てのことを考えると、住みたいのは戸建て。とはいえ、都市部で新築の戸建て住宅を買うのは簡単ではありません。そこでAさん家族は、中古の戸建て、なかでも「リフォーム済の戸建ての住宅」を探すことにしたのです。

近隣付き合いは? トラブルは?

子育て中のご家庭がマイホームを購入する場合には、戸建てを選択するケースが多くなる傾向にあります。子ども部屋や収納などのスペースの広さ、庭や駐車場などのニーズに対応しやすい点、そして子どもの足音や騒音を気にしなくていいといったところが、戸建てが人気のポイントです。

しかし、戸建ての住宅ならいいことばかりかといえば、決してそうとは限りません。マンションにもメリット・デメリットがあるように、戸建てにもメリットもあればデメリットもあります。その一つに挙げられるのが、「近所づきあいの苦労」です。

賃貸マンションの住宅でも近所づきあいが全く無い…ということではありませんが、戸建ての住宅を購入するとなると、町内会や近隣の住民の方とは長いつきあいになることも多いもの。「何かトラブルがあったら引っ越せばいい」というわけにはいきませんから、うまくつきあっていく必要があります。

スペースが広い分掃除の負担も大きくなりますし、設備のメンテナンスも自分たちで管理していかなければいけません。戸建てを購入するなら、利点ばかりでなく“戸建てならではの苦労”もきちんと理解しておきましょう。

立地条件、資産価値について

メリットやデメリットを理解したうえで戸建てを購入すると決めたら、物件探しを進めることになります。物件探しとなると、間取りや面積、設備といった物件自体のスペックに目が向きがちですが、戸建ての物件探しには「周辺環境」も重要な要素となります。

立地条件の面でいえば、戸建ての物件探しの場合は駅近物件を探すことは難しく、最寄り駅へのアクセスが多少なりとも不便となることは少なくありません。それでもできる限り利便性を保てるよう、駅へ行く所要時間や道の歩きやすさなどは実際に自分で歩いて確認してみましょう。

また、戸建ての物件は建物だけではなく土地の価値がある分、建物の築年数が経過しても資産価値を保ちやすいというメリットがあります。将来的な売却を考えるうえで、資産価値を重視した物件選びは非常に重要です。その点でも、立地条件のよさは重視しておくべきでしょう。

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周辺環境チェックポイント

使える交通機関、最寄り駅やバス停へのアクセス、終電・終バスの時間、商業施設や公共施設などへのアクセス、学校や塾、病院といった施設の有無…周辺環境でチェックしておくべきポイントは山のようにあります。肝心なのは、「自分や家族にとって、何が必要か」という点です。

働く場所はどこか、買い物は仕事帰りになるか休日にするか、お子さんに必要なのは幼稚園・保育園なのか、学校や塾、公園なのかなど、まずは家族のライフスタイルを整理することで具体的に必要なものが明確になります。必要なものを洗い出したら、それらをチェック項目にしましょう。

「必要なもの」だけでなく「あったら嫌なもの」をチェックすることも必要です。車の出入りが激しい設備や施設、夜間の照明が少なく人通りの少ない道、日差しを遮る高層マンションといった“マイナスポイント”も忘れずに確認すること。

その際に重要な情報となるのが、物件が建っている土地の「用途地域」です。用途地域の区分によってその土地に建てられる建物の種類が違い、それによって将来的に、家のすぐ近くに高層マンションや大きな商業施設が建つ可能性もあるのです。住みやすさや資産価値の両面で、忘れずに確認しておきましょう。

おわりに

マイホームの購入は、人生に何度とない大きな買い物です。戸建てにするかマンションにするか、新築を選ぶか中古を選ぶか、リフォーム済の中古物件にするか、まだリフォームされていない物件を買って自分でリフォームするかなど、迷うことも多いでしょう。

そうした検討をする際に、住宅自体のスペックと同様に大切になるのが周辺環境です。住宅は購入後に手を入れることもできますが、周辺環境は自分では変えることができません。この点を念頭に置いて、物件探しでは周辺環境も細かく確認していきましょう。